【水出しコーヒーはコスパが悪い？】実はそんなことがないことについて

1. 「水出しコーヒーは、なんだか手間がかかるし、結局コスパが悪いのでは？」 夏の暑い日、冷たいコーヒーが飲みたくなるたびに、そんな疑問が頭をよぎるかもしれません。

確かに、お店で見かける専用パックは少し割高に感じられますし、抽出に時間がかかるイメージもあります。

この記事では、「水出しコーヒーはコスパ悪い」という先入観を一度リセットし、その真相を徹底的に解説します。

多くの方が気になるコーヒーを淹れる時のコストパフォーマンス、さらには意外と見落としがちなコーヒーの電気代っていくら？という疑問まで、あらゆる角度から掘り下げていきます。

実は、水出しコーヒーのメリットは非常に多く、正しい水出しコーヒーの楽しみ方を知れば、驚くほど経済的に豊かなコーヒーライフを送ることが可能です。

この記事を読めば、どんな人が水出しコーヒーをオススメな人なのか、また美味しさを保つ水出しコーヒーの賞味期限は？といった実用的な知識まで、すべてが明らかになります。    

「水出しコーヒーはコスパ悪い」と言われる理由

そもそも水出しコーヒーとは？

水出しコーヒーとは、その名の通り、お湯ではなく水を使ってゆっくりと時間をかけて抽出したコーヒーのことです。

「コールドブリュー」という呼び方で知っている方も多いかもしれません。

熱を使わずに低温で抽出するのが最大の特徴で、この方法によってコーヒー豆の油分が溶け出しにくくなります。

コーヒーの油分には豊かな香りやコクが含まれる一方で、苦味やエグみ、雑味の原因となる成分も含まれています。

そのため、水出しコーヒーはこれらの成分の抽出が抑えられ、非常に口当たりがまろやかで、スッキリとしたクリアな味わいに仕上がります。

苦味や酸味が穏やかなので、ゴクゴクと飲みやすいのも魅力の一つです。 抽出には通常、冷蔵庫で8時間から12時間ほど置く必要があり、手間がかかるように思われがちです。

しかし、この「待つ時間」こそが、水出しコーヒー特有の優しい甘みと豊かな風味を生み出すための大切な工程なのです。

水出しコーヒーとアイスコーヒーの違いは？

「冷たいコーヒー」という点では同じですが、水出しコーヒーと一般的なアイスコーヒーは、作り方と味わいが根本的に異なります。

多くのカフェや家庭で作られるアイスコーヒーは「急冷式」と呼ばれる方法で、お湯で濃いめにドリップしたコーヒーを、氷で一気に冷やして作られます。

熱湯で抽出するため、コーヒー豆が持つ個性や特徴がダイレクトに引き出され、キレのある苦味や香ばしさ、しっかりとしたコクが感じられます。

淹れたての華やかな香りを楽しみたい場合や、コーヒーらしいパンチを求める方には急冷式が向いています。

一方で、水出しコーヒーは水でじっくりと成分を溶け出させていきます。

味わいの違いをまとめると、以下の表のようになります。

水出しコーヒーと急冷式アイスコーヒーの違い

このように、どちらが良いというわけではなく、それぞれに違った魅力があります。 その日の気分や好みに合わせて選ぶのが、コーヒーをより楽しむための鍵と言えるでしょう。

コーヒーを淹れる時のコストパフォーマンス

「水出しコーヒーはコスパが悪い」と感じる最も大きな理由は、一杯あたりの費用が割高に思える点にあります。

例えば、スーパーや専門店で販売されている水出しコーヒー専用のパック製品は、1パックあたり100円前後することが多く、1パックで500ml程度しか作れない場合、ペットボトルコーヒーと比較して高く感じられるかもしれません。

また、豆から自作する場合でも、一般的なレシピではホットコーヒーを淹れる時よりも多くの豆（1リットルあたり70g〜100g程度）を使用することが推奨されているため、「豆の消費が激しい」という印象を持つ方もいます。

しかし、このコスト認識は一面的な見方である可能性が高いです。市販の飲料と比較してみると、その印象は大きく変わります。

比較表

表が示すように、業務スーパーや通販で大容量のコーヒー豆を安く購入し、一度にまとめて作るスタイルを取れば、1杯あたりのコストはコンビニコーヒーの4分の1以下に抑えることも十分に可能です。

つまり、初期のイメージとは裏腹に、水出しコーヒーは工夫次第で圧倒的なコストパフォーマンスを実現できるポテンシャルを秘めているのです。

コーヒーの電気代っていくら？

コーヒーを淹れる際のコストとして、意外と見過ごされがちなのが電気代です。

特に、お湯を必要とするドリップコーヒーや急冷式アイスコーヒーの場合、毎回電気ケトルやコーヒーメーカーでお湯を沸かす必要があります。

ここで、それぞれの電気代を具体的に計算してみましょう。

電力料金を一般的な目安である1kWhあたり31円と仮定します。  

一杯あたりは数円とわずかな金額に思えるかもしれません。

しかし、これを毎日続けると年間では決して無視できない金額になります。

例えば、毎日電気ケトルでお湯を沸かせば、年間で1,000円以上のコストがかかる計算です。

一方で、水出しコーヒーは基本的にお湯を沸かす工程がありません。

常温の水で抽出し、冷蔵庫で保管するだけです。 もちろん冷蔵庫の電気代はかかりますが、これは他の食品や飲料を保存するのと同様で、水出しコーヒーを作るために特別に発生するコストとは考えにくいでしょう。

このように、日々の電気代という観点から見ると、水出しコーヒーは他の抽出方法に比べて経済的であると考えられます。

専用ポットなしで始める簡単な方法

「水出しコーヒーを始めたいけれど、専用のおしゃれなポットや器具を揃えるのが大変そう」という考えも、「コスパが悪い」と感じさせることかもしれません。

確かに、ガラス製のフィルター付きポットなどは1,500円以上することが多く、気軽に試すには少しハードルが高いかもしれません。

しかし、専用器具がなくても、水出しコーヒーは驚くほど簡単に作ることができます。

必要なのは、家にあるものと100円ショップで手に入るアイテムだけです。

準備するもの

• お好みのコーヒー粉：最初はスーパーで売っている中挽きの粉で十分です。
• お茶・だしパック：100円ショップで売っている、大きめの不織布製パックが最適です。
• 保存容器：麦茶を入れるようなピッチャーや、よく洗った2リットルの空きペットボトルなどで代用できます。

作り方

1. コーヒー粉を、お茶・だしパックに詰めます。1リットルの水に対して50g〜80g程度が目安ですが、お好みで調整してください。
2. 粉を入れたパックを保存容器に入れ、水を注ぎます。
3. 容器のフタをしっかりと閉め、冷蔵庫で8時間以上置きます。
4. 時間が経ったらパックを取り出して完成です。

この方法であれば、初期投資はわずか100円程度。

これなら、失敗を恐れずに今日からでも気軽に水出しコーヒーライフをスタートできます。

まずはこの方法で試してみて、本格的に続けたくなったら専用ポットの購入を検討するのが最も賢い選択です。

実は高コスパ！「水出しコーヒーはコスパ悪い」は誤解

知っておきたい水出しコーヒーのメリット

水出しコーヒーの魅力は、単に経済的であるという点だけではありません。

むしろ、その味わいや手軽さにこそ、多くの人を惹きつけるメリットが隠されています。

コストパフォーマンスの高さを実感した上で、これらのメリットを知れば、さらに水出しコーヒーが好きになるはずです。

メリット１：「味わい」

低温でじっくりと抽出するため、コーヒーの苦味や渋みの原因となるタンニンやカフェインの一部が溶け出しにくく、非常にまろやかでクリアな口当たりになります。

豆本来の持つ甘みやコクが際立ち、コーヒーの角が取れたような優しい味わいは、ブラックコーヒーが苦手な方にも受け入れやすいでしょう。

メリット２：「手軽さ」

一度に1リットルや2リットルといった量をまとめて作り置きできるため、飲みたい時に冷蔵庫から取り出してすぐに楽しめます。

朝の忙しい時間に、お湯を沸かして豆を挽き、ハンドドリップで淹れる…といった一連の作業から解放されるのは、想像以上に快適です。

これは時間的なコストパフォーマンス（タイムパフォーマンス）が非常に高いと言えます。

メリット３：「酸化しにくい」

熱を加えていないため「酸化しにくい」という利点も見逃せません。

ホットコーヒーは淹れてから時間が経つと酸味が増して味が落ちてしまいますが、水出しコーヒーは酸化のスピードが非常に遅く、冷蔵庫で保存すれば2〜3日は美味しい状態を保てます。

作り置きしても味が劣化しにくいのは、大きな強みです。

こんな方に最適！水出しコーヒーをオススメな人

水出しコーヒーの持つ様々な特徴を踏まえると、特に以下のような方にオススメです。

１：コーヒーの強い苦味や酸味が苦手な人

「コーヒーは好きだけど、あの苦さがちょっと…」と感じている人にとって、水出しコーヒーのまろやかさはまさに理想的かもしれません。

雑味の少ないクリーンな味わいは、コーヒーの新しい魅力を発見させてくれるきっかけになります。

２：毎日コーヒーを飲む習慣があり、節約を意識している人

コンビニやカフェで毎日コーヒーを買う習慣がある場合、その出費は年間でかなりの額になります。

自作の水出しコーヒーに切り替えるだけで、品質を落とすことなく、むしろ自分好みの味を追求しながら大幅な節約が可能です。

３：朝が忙しく、コーヒーを淹れる時間がない人

夜寝る前にセットしておくだけで、翌朝には美味しいコーヒーが完成している手軽さは、多忙な現代人にとって大きな味方です。

朝の貴重な時間を、他のことに使えるようになります。

４：夏場にゴクゴク飲めるスッキリしたコーヒーが好きな人

麦茶のような感覚で、喉の渇きを潤しながら楽しめるのも水出しコーヒーの魅力です。

クリアな後味なので、食事中や運動後など、様々なシーンにフィットします。

５：胃への負担が気になる人

一般的に、水出しコーヒーはホットコーヒーに比べて胃に優しいと言われています。

コーヒーを飲むと胃がもたれることがある、という方も、一度試してみる価値はあるでしょう。

美味しさを保つ水出しコーヒーの賞味期限は？

作り置きができる便利な水出しコーヒーですが、どのくらい日持ちするのかは気になるところです。

美味しさと安全性を保つための賞味期限と、保存のポイントを解説します。

一般的な目安として、水出しコーヒーの賞味期限は冷蔵庫で保存した場合、抽出完了後2〜3日程度です。

熱を加えていないため、急冷式のアイスコーヒーに比べて酸化の進行は非常に緩やかで、味の変化が少ないのが特徴です。

しかし、これはあくまで美味しさを保てる期間の目安です。 注意点として、水を使っているため、雑菌が繁殖するリスクはゼロではありません。

時間が経つにつれて風味も少しずつ落ちていくため、できるだけ早く飲み切るのが理想的です。

美味しく保存するための2つのポイント

1. 抽出が終わったらパック（粉）は取り出す

   コーヒーの粉を長時間浸したままにしておくと、過抽出となり、雑味やえぐみが出てきてしまいます。目標の抽出時間が経過したら、速やかにパックやフィルターを取り出しましょう。この一手間が、クリアな味わいを保つ秘訣です。

2. 必ず密閉容器に入れて冷蔵庫で保存する

   冷蔵庫の中は様々な食品の匂いが混在しています。コーヒーは他の匂いを吸収しやすいため、必ずフタがしっかりと閉まる密閉容器に入れて保存してください。これにより、風味の劣化や匂い移りを防ぐことができます。

これらの点を守れば、数日間にわたって美味しい水出しコーヒーを手軽に楽しむことが可能です。

作り置きできる水出しコーヒーの楽しみ方

水出しコーヒーの魅力は、そのまま飲むだけでは終わりません。

作り置きしておけば、その日の気分に合わせて様々なアレンジを手軽に楽しむことができます。

ここでは、いつもの水出しコーヒーがもっと美味しくなる、おすすめの楽しみ方を紹介します。

カフェオレがオススメ！

基本のブラックで飲むのはもちろんですが、まず試していただきたいのが「カフェオレ」です。

水出しコーヒーは味わいがまろやかなので、牛乳と非常に良くなじみます。

牛乳の代わりに豆乳やアーモンドミルクを使えば、また違った風味のヘルシーな一杯になります。

暑い日には、デザート感覚のアレンジもおすすめです。

グラスに注いだ水出しコーヒーに、バニラアイスクリームを浮かべれば、簡単に本格的な「コーヒーフロート」が完成します。

お好みでチョコレートソースやキャラメルソースをかければ、おうちカフェ気分がさらに盛り上がります。

コーヒートニックも人気！

また、意外な組み合わせとして、トニックウォーターで割る「コーヒートニック」も人気です。

コーヒーのほろ苦さとトニックウォーターの爽やかな甘み、そして炭酸の刺激が絶妙にマッチし、新感覚のリフレッシュドリンクになります。

このように、ベースとなる水出しコーヒーを作り置きしておくだけで、楽しみ方のバリエーションは無限に広がります。

マイボトルに入れて持ち歩き、外出先での水分補給として利用すれば、カフェ代の節約にも繋がり、まさに一石二鳥です。

まとめ：「水出しコーヒーはコスパ悪い」は思い込み

• 水出しコーヒーは水で時間をかけて抽出するコーヒー
• 苦味や酸味が少なく非常にまろやかな味わいが特徴
• お湯で淹れて冷やす急冷式アイスコーヒーとは作り方と味が異なる
• 市販の専用パックは一杯あたりの価格が割高に感じることがある
• 豆を多めに使うレシピがあることもコスパが悪いと感じる一因
• しかし大容量の豆で自作すれば一杯30円台から作ることも可能
• 毎日飲むならコンビニコーヒーより年間数万円の節約に繋がる
• お湯を沸かす工程がないため日々の電気代がかからない
• 専用ポットがなくても100円ショップのグッズで簡単に代用できる
• つまり初期投資はほとんどかけずに始めることが可能
• 一度に大量に作り置きできるため時間と手間が省ける
• 熱を加えないため酸化しにくく2日から3日は美味しく飲める
• 苦味が苦手な方や毎日の習慣として節約したい方に最適
• 作り方や豆の選び方を工夫すれば最高のコストパフォーマンスを発揮する
• 「水出しコーヒーはコスパが悪い」という先入観は捨てて試す価値がある